埼玉県行政書士高橋事務所           
                                                

 後遺障害U

 <胸椎・腰椎圧迫骨折>
  自転車やバイクを運転中に事故に遭い、路面にお尻を強く打ち付けた場合などに
  多く発生します。

  背骨(脊柱)を構成する1つ1つの骨のことを椎体(ついたい)といい、上から頚椎(7個)、
  胸椎(12個)、腰椎(5個)以下略、とあります。外部から大きな衝撃を受けることで、その
  椎体が押しつぶされたかたちになります。運動時の痛みや可動域制限が見られます。
  ひどい場合はヘルニアのような症状を呈します。
  ちなみに良く聞かれる「椎間板ヘルニア」ですが、椎間板とは椎体と椎体の間にあって、
  骨と骨が直接ぶつからないように、又は加わった力を吸収するクッションのような役目を
  している円板状の軟骨のことです。
  椎間板の中にはゼラチン状の髄核があり、背骨に負担がかかると椎体が圧迫され、さらに
  椎間板の髄核が圧迫されて横に膨らみ、脊髄や神経根を圧迫して激しい痛みや麻痺を
  引き起こします。この症状が有名な「椎間板ヘルニア」です。


         11級7号  脊柱に変形を残すもの (認定基準)
   @ レントゲン写真やCT,MRIなどの画像により、脊椎圧迫骨折または脱臼が認められるもの
   A 脊柱固定術を行ったもの。(移植した自家骨が完全にくっついている
   B 3個以上の椎弓切除術または椎弓形成術を受けたもの

    *@の場合ですが、自賠責さいたま調査事務所ではレントゲン写真により
     押しつぶされた椎体前後の高低差を測ります。差異が余りないケースでは
     非該当となります。

  
 <脳外傷による高次脳機能障害>

  脳の機能には、目や耳で感じた光や音を脳に伝えたり、脳から出た命令に従って手足を動かすなど
  の「一次機能」と、一次機能により得た情報をより高等な命令に変換する「高次脳機能」があります。
  具体的には、「知覚・認知・注意・学習・記憶・判断・言語活動」などですが、脳が損傷したことにより
  それらに障害が現れたものを「高次脳機能障害」と言います。外見的には回復したように見えますが
  実際は、日常生活や仕事に支障をきたしてしまう後遺障害です。

  障害の一例として、
  自発的な言葉を話せない、他人の言っていることが理解できない、文字を書けない、意図した動作
  や指示された動作ができない、知っている人の顔がわからなくなる、自宅近くに外出しても、一人で
  帰ってくることができない、ちょっとしたことにも我慢が出来ない、等々があります。  
 
 
  等級認定にあたっての基本的な考え方   (高次脳機能障害認定システム確立検討委員会より)

  
  
        障害認定基準               補足的な考え方
 1級1号
(要介護)
「神経系統の機能又は精神に著しい障害を
残し、常に介護を要するもの」
身体機能は残存しているが高度の痴呆があるために、生活
維持に必要な身の回り動作に全面的介護を要するもの
 2級1号
(要介護)
「神経系統の機能又は精神に著しい障害を
残し、随時介護を要するもの」
著しい判断力の低下や情動の不安定などがあって、1人で
外出することができず、日常の生活範囲は自宅内に限定
されている。身体動作的には排泄、食事などの活動を行う
ことができても、生命維持に必要な身辺動作に、家族からの
声掛けや看視を欠かすことができないもの
 3級3号 「神経系統の機能又は精神に著しい障害を
残し、終身労務に服することができないもの
自宅周辺を1人で外出できるなど、日常の生活範囲は自宅に
限定されていない。また声掛けや、介助なしでも日常の動作
を行える。しかし記憶や注意力、新しいことを学習する能力、
障害の自己認識、円滑な対人関係維持能力などに著しい
障害があって、一般就労が全くできないか、困難なもの
 5級2号 「神経系統の機能又は精神に著しい障害を
残し、特に軽易な労務以外の労務に服する
ことができないもの」
単純くり返し作業などに限定すれば、一般就労も可能。ただし
新しい作業を学習できなかったり、環境が変わると作業を継続
できなくなるなどの問題がある。このため一般人に比較して
作業能力が著しく制限されており、就労の維持には、職場の
理解と援助を欠かすことができないもの
 7級4号 「神経系統の機能又は精神に障害を残し、
軽易な労務以外の労務に服することが
できないもの」
一般就労を維持できるが、作業の手順が悪い、約束を忘れる
、ミスが多いなどのことから一般人と同等の作業を行うことが
できないもの
9級10号 「神経系統の機能又は精神に障害を残し、
服することができる労務が相当な程度に
制限されるもの
一般就労を維持できるが、問題解決能力などに障害が残り、
作業効率や作業持続力などに問題があるもの


  等級認定のポイント  

 1、脳損傷の有無
 (1)脳損傷が画像(CT,MRI)で確認できること。
 (2)事故による脳外傷直後の意識障害が約6時間以上、もしくは健忘症あるいは軽度意識障害が
  少なくとも1週間以上継続した症状があり、画像上でびまん性脳室拡大・脳萎縮の所見がある。

 2、事故との因果関係
   高次脳機能障害と同様の人格変化や認知障害などは、他の精神疾患などによっても出現する
  場合があるので、それらとの識別が必要。

 3、障害の程度
 (1)被害者の就労、就学、日常生活における障害による変化や、具体的にどのような場面でどの
  ような支障が生じているかを適切に報告すること。
 (2)高次脳機能障害の内容や程度を判断する上で重要な位置づけである、各種の神経心理学的
  検査を受けること。 


 <外傷性てんかん>

 頭部外傷により脳に何かしらの傷ができ、その傷から生じる刺激によっててんかん発作を起こすものを
 いいます。発作の繰り返しによって性格変化、知能低下等の精神障害をきたすことが多く、高度のものは
 痴呆・人格破壊に至ることもあります。

       等級認定基準 (平成15年10月1日以後の事故による受傷者に適用)
 5級2号  1ヶ月に1回以上の発作があり、かつその発作が「意識障害の有無を問わず転倒する発作」
 または「意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作」であるもの。
 7級4号  「意識障害の有無を問わず転倒する発作」または「意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を
 示す発作」が数ヶ月に1回以上あるもの。またそれらの発作とは違う発作が1ヶ月に1回以上
 あるもの。
 9級10号  数ヶ月に1回以上の発作が、「意識障害の有無を問わず転倒する発作」または「意識障害を呈し、
 状況にそぐわない行為を示す発作」以外の発作であるもの。または服薬継続によりてんかん
 発作がほぼ完全に抑制されているもの。
12級13号  発作の発現はないが、脳波上に明らかにてんかん性棘波を認めるもの。

 *「1ヶ月に2回以上の発作がある場合」には、外傷による高次脳機能障害に係る3級以上の
  認定基準にて等級認定することになります。
  


 <頭痛>

 頭痛の原因や種類は多種多様で、偏頭痛や緊張型頭痛などの一次性頭痛、頭頚部外傷や
 頭頚部血管障害による二次性頭痛などがありますが、自賠責の後遺障害認定にあたっては、
 それらの頭痛の型のいかんにかかわらず、症状の程度によって障害等級が認定されます。

                     等級認定基準
 9級10号  通常の労務に服することはできるが、激しい頭痛により、時には労働に従事することが
 できなくなる場合があるため、就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの
12級13号  通常の労務に服することはできるが、激しい頭痛により、時には労働に差し支える程度の
 強い頭痛が起こるもの
14級 9号  通常の労務に服することはできるが、頭痛が頻回に発現しやすくなったもの


 <疼痛疾患>

(1)カウザルギー
 外傷性の急激な神経損傷によって発症します。持続的で激烈な灼熱痛が特徴です。さらに
 微小刺激でも強い痛みと感じてしまう痛覚異常過敏、血管運動障害などの症状があります。

(2)RSD(反射性交感神経ジストロフィー)
 打撲や捻挫など軽傷でも発症する。灼熱痛、著しい腫脹、皮膚変化、骨萎縮が特徴的な症状。

  等級認定基準 (平成15年10月1日以後の事故による受傷者に適用)
 7級4号  軽易な労務以外の労働に常に差し支える程度の疼痛があるもの
 9級10号  通常の労務に服することはできるが、疼痛により時には労働に従事することが
 できなくなるため、就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの
12級13号  通常の労務に服することはできるが、時には労働に差し支える程度の
 疼痛が起こるもの

*RSDについては、@関節拘縮、A骨の萎縮、B皮膚の変化(皮膚温の変化、皮膚の萎縮)
 という主要な3つのいずれの症状も健側と比較して明らかに認められる必要があります。


 <醜状障害> 下記は、平成22年6月10日以後に発生した事故について適用されます。

 第7級 外貌に著しい醜状を残すもの
 第9級 外貌に相当程度の醜状を残すもの
 第12級 外貌に醜状を残すもの
 第14級 上肢または下肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの

上記の障害等級は男女同一です。平成22年に最高裁で労災事故に関し、男性の醜状についても
女性と同様に解すべきとの判決が出て、労災保険が障害等級を改正しました。自賠責保険も準拠し
改正されました。


             外貌障害に係る障害認定基準
 「外貌に著しい醜状を残すもの」とは、原則として次のいずれかに当てはまる場合で、
 人目につく程度以上のものをいいます。
  1、頭部に手のひら大(指の部分は含まず)以上の瘢痕又は頭蓋骨の手のひら大以上の欠損
  2、顔面部に鶏卵大面以上の瘢痕又は10円硬貨大以上の組織陥没
  3、頚部に手のひら大以上の瘢痕

 「外貌に相当程度の醜状を残すもの」とは、原則として顔面部の長さ5cm以上の線状痕で
 人目につく程度以上のものをいいます。

 「外貌に醜状を残すもの」とは、原則として次のいずれかに当てはまる場合で、人目に
 つく程度以上のものをいいます。
  1、頭部に鶏卵大面以上の瘢痕又は頭蓋骨の鶏卵大面以上の欠損
  2、顔面部に10円硬貨以上の瘢痕又は長さ3cm以上の線状痕
  3、頚部に鶏卵大面以上の瘢痕

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